子どもマネー総合研究会

メダカ飼いは安価に子どもの体験量を増やせるのかの実証実験報告

まず、メダカに限らずペットを飼うには、飼育する環境を整えるために必要な物を買い揃える初期費用と、飼育し続けるための固定費がかかります。メダカを飼う初期費用には、最低限、水槽(金魚鉢)、水草、メダカのエサ、そうそう肝心のメダカを購入するお金がかかります。これらにいくらかかるでしょうか?

小川研究員のケースで見てみます。メダカの住まいになる水槽は、スイレンを植えてある水槽を使うことにしたので、新たに購入しませんでした。縦30cm×横60cm×高さ23cmの大きさで、ホームセンターで4000円くらいだったと記憶しています。やや大きめなので、ブクブク(空気を送る装置のこと。正式名称は知りません)はつけなくても大丈夫と判断し、そのまま使うことにしました。

今回、新たに購入したのは、小川(私ではありません)の中の雰囲気を出したかったので、メダカ10匹(350円)、メダカのエサ(97円)、川砂(1,560円)、天然流木(580円)、水草(350円)の2,937円。水槽代を入れても、1万円もかかりません。金魚鉢とメダカとエサ、水草くらいで始めるなら、2000円くらいですむと思います。

メダカを飼い続けるための固定費は、水草の買い替え代とエサ代くらいでしょうから、月換算して数百円ですみそうです。メダカ自体、そう長くは生きないでしょうから、固定費はあまり気にしなくてもいいかもしれません。

では、ネコやイヌなどのペットを飼うとしたら、どれくらいかかるでしょうか? たとえば、ネコを飼うとしたら、ネコのトイレ容器とトイレ砂、エサとお水の容器、エサの購入資金がかかります。ネコはノラを拾ってきたり、もらったりすればお金はかかりませんが、飼育環境を整える初期費用だけで1~2万円はかかりそう。そして、固定費は、トイレの砂とエサ代で月3000円~4000円はかかるでしょう。ネコは長ければ20年は生きるので、その間、固定費がかかり続け、病気をしたら医者代もかかります。

費用面で見ると、メダカとペットでは明らかな差が生じますが、では、メダカを飼うことで子どもにどんな体験をさせられるのでしょうか? まず、メダカを飼うまでにどんな作業が必要だったかから見てみましょう。

メダカを水槽に入れる前に、小川の中を再現するレイアウトをします。川砂をきれいに洗って水槽の底に敷き、水草を浮かべます。流木を水底に沈めようとしたら、プカプカ浮いてしまい、思い通りの位置に置けませんでした。「どうして沈まないのか?」の理由を考えてみると、「乾燥していて軽くなっているせいかも」と思いつき、別容器で水に浸けてみることに。流木は後から入れるとして、メダカを放流。元気に泳ぎ回り始めました。ちなみに、メダカは放流する前に、水温に慣らすため、ビニール袋のまま水槽に30~40分浮かべておいて、それから放すとよいのだそう。沈まなかった流木は、水に浸けること3日。考えた通り、水分を含んで重くなって底に沈んでくれました。これで、レイアウト完成です。その後は、毎日のエサやり、3日に1回の水槽そうじと水換えの作業が続きます。

これらの作業は、小川研究員は1人でブツブツ言いながら、考えながら行いましたが、子ども(小川研究員の場合は孫ですね)と一緒に相談しながら、考えながらできたら、もっともっと楽しかっただろうし、確実に、子ども(孫)の体験量を増やすことができたと思います。

たとえば、水槽の中に再現した小川の一部は「プチ自然体験」になるでしょうし、メダカの世話をするのは「動植物とのかかわり」になります。さすがに、ネコやイヌのようにスキンシップをするというわけにはいきませんが……。そして、メダカのエサやりや水槽そうじ・水換えを子どもの仕事にするというお約束にすれば「家事手伝い」に。水槽を子どものお友だちに見せて水槽そうじなどを手伝ってもらえば「友だちとの遊び」にもできますね。

こういった体験をすることは、メダカを長生きさせるにはどうしたらいいかとか、水槽そうじを効率よくするにはどうしたらいいかとか、いろいろなことを考える・調べるキッカケになり、子どもの学習意欲を向上させる機会になると思います。親も一緒に学習することで、親子のきずなも深まるのでは?

というわけで、今回の実証実験の結果は「メダカ飼いは安価に子どもの体験量を増やせる」でした。みなさんも、独自のアイディアを絞って、お金をかけないで子どもの体験量を増やす方法を模索してみてくださいね。

今のところ、わが家のメダカは1匹も欠けることなく、元気にしています。たとえメダカであっても、生き物が身近にいると心が癒されます。ただ、エサをあげるために水槽に近付くと、いっせいに隠れるのが可愛くない。「メダカの学校」というくらいですから、「ベランダの戸が開く音を聞いたらご飯がもらえるから水面に出て待っている」を学習して欲しいです。家族の一員になったメダカさん、1日でも長生きするよう面倒をみていきます。

小川 千尋

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