子どもマネー総合研究会

わが家の危機管理は、大丈夫?

これはちょっとマズイですよという2つのケースとは、ともに妻と幼児がいるのに、夫は保険に入っていないケースと、終身保険+医療保険しか入っていないケースです。なぜ、それが危機管理上マズイのでしょうか?

まず、保険に入っていないケースから。マネーとは全く関係のない某出版社の担当者と打ち合わせをしている最中、突然、「僕は保険に入ってないんですが、入らないといけないものなんですか?」と聞かれました。一瞬、小川研究員は、絶句……してしまいました。

年金や健康保険の社会保険は強制加入なので、入る入らないの選択の余地はありません(保険料を未払いにしている人は、けっこういますが)。でも、民間の保険は、強制加入ではないので、入りたくなければ入る必要はありません。という話をしながら、担当者氏の家族構成を聞いてみると、専業主婦の妻と小学校就学前の子どもが2人だとのこと。住まいは賃貸だそうです。

この家庭の状況で、これまで保険に入ることを検討しなかったのがフシギなくらいです。夫婦とも、夫が死亡したら、その後の妻子の生活はどうなるかを考えてみたことはなかったのでしょうか? 担当者氏は会社員なので、担当者氏が死亡した後は、公的年金保険から月10数万円の遺族年金が給付されます。妻が働くようになったとしても、よほど高給を取らなければ、生活費を賄いつつ子どもの教育資金や妻の老後資金を作りきれないと思います(住宅取得はあきらめたとしても)。もっとも、再婚すれば、話はまた変わってきますが。

次は、もう1つの終身保険+医療保険しか入っていないケースです。医療保険はいいとしても、死亡保障が終身保険だけというのは、やはりマズイと言わざるをえません。

このケースは、某雑誌の読者の話ですが、夫は会社員で妻は専業主婦、2歳になるお子さんが1人、持家という状況です。夫が加入している終身保険は、今主流の低解約返戻金型で、保険金額は500万円です。ご当人は、いい保険に入っていると、しごく満足のご様子。この低解約返戻金型の終身保険が問題というわけではありません。問題は、500万円では保障額が不足していることです。読者氏の状況なら、あと2000万円はプラスしたいところです。

2つのケースは、このままの状況で夫に万一のことがあったら、妻子はかなり困る事態になるでしょう。やはり、夫が死亡したときに備える保険は必要だと思います。定期保険や収入保障保険を使えば、さほど大きな負担にならずに必要な死亡保障を準備できます。ドキッとした読者の方がいたら、すぐに保険への加入・見直しをしてくださいね。

小川 千尋

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