子どもマネー総合研究会

留学の年齢についての厳しい現実の話

英国のような全寮制の小学生から、中学生から、高校生から、大学生からの留学と、子どもと家庭の経済状況によって、年齢のタイミングがあります。それを間違えてしまうと、高額な留学費用もどぶに捨てたようなものになるか、子どもの大きな財産になるか、大きく変わってくるからです。

子どもの留学について、その年齢的なタイミングについて、「できれば日本国内で当たり前のことが当たり前にできる常識のある年齢になってから、世界を見せたい」という意見や、反対に「小さい頃から、画一的な考え方にとらわれず、自由な発想を持ってほしい」、「グローバルな物事の捉え方をしてほしい」など、意見はさまざまです。

その子ども次第と言えばそれまでですが、個人的には小・中学校を日本国内で過ごし、日本の文化をある程度知っていること、自分自身というアイデンティティがしっかりあることが大切だと思います。というのは、最近、純粋培養……という言い方には語弊があるかもしれませんが、親としては安心感の高い小学生からの全寮制の某有名校での麻薬汚染の話や、全寮制の男子校におけるゲイになる確率など、親にとっては真っ青になる不安要素が発表されました。

実際に、目的意識もないままに留学したり、周囲に流されやすい中高生の子どもたちの中には、ドラッグに手を出してしまったり、妊娠してしまう子も少なくないのです。こんな話をすると、留学なんてとんでもない! と、思う方もいるでしょう。

でも、こういうケースは、子どもだけでなく、普段から親の子どもへの接し方が原因となっていることも多いようです。例えば、日本にいるときに厳しすぎるくらいのしつけや監視をしていた場合、海外に出て親から離れた開放感から、はじけてしまう子どもがいるそうです。逆に、あまりに子ども任せで無関心な親であっても、子どもは親の注意を引きたくてトラブルを起こすことがあるそうです。

とある現地の留学エージェントから耳にしたショッキングな話があります。中学1年生から留学していた裕福な家庭の話でしたが、年に1度、十分なお金だけを送金してきて、子どもの学校生活の話や友達のことなど、親なら気になるであろうことをまったく聞いてこない親がいるというのです。その子どもは、悲しいことに、非行に走っていて、まるで捨てられた子犬のような目をしていると聞きました。

このケースは、留学というよりも、中高の卒業年までの数年間を親が海外に放り出したという言い方が正しいですよね。親が、現地に足を運ぶことはなかなか難しいかもしれませんが、いつも見守っているよ、信用しているよという子どもへのアピールは、絶対に必要です。

そのほか、海外留学にはさまざまな落とし穴があります。マリファナの規制が緩い国、ドラッグが蔓延している国、そしてどこの国に行っても、少なからず人種差別があります。実際に親日家が多いと言われていた娘の留学先のニュージーランドや、知人の子どもが留学していたオーストラリアでも、日本人に対して誰もが親切であるわけではありませんでした。一概には言えませんが、人種差別は、外国人が多く暮らす知識階級がたくさんいる大都市ではあまり聞かないものの、地方ののんびりした田舎ではよく耳にします。子どもたちは、日本の国から外へ出て、はじめて日本人というよりもアジア人という認識を否応なしにさせられます。日本の捕鯨問題も、肌で感じることでしょう。だからといって、日本人同士で固まってしまうと、またそこで負の連鎖が起こらなくもないのが難しいところ。

だからこそ、日本の文化をある程度理解できていて、周囲に流されないアイデンティティを持っていること、そしてポジティブな考え方ができるかどうかが重要になってきます。

多感な年ごろに、海外に出て行くと、とてもたくさんのことを吸収してくることでしょう。グローバルなものの見方もできるようになります。それは、頭の硬い大人になってからでは得られない価値あるものです。

留学適齢は、一人ひとり違うもの。小学生、中学生、高校生、大学生からか、それこそ親自身が画一的な考え方にとらわれず、子どもに合わせて、タイミングを計ってあげましょう。できる限り、折れにくい心を親元で育んでから、海外に送りだせるといいですね。

また、いざという時、頼りになるのが、学校の留学生(インターナショナルクラス)担当の先生です。さまざまな国の留学生を受け入れている学校の場合、留学生のための英語補強カリキュラムのほか、心のカウンセリング室、進路相談室などがあり、ホストファミリーとの折衝、日常生活のアドバイスまで、さまざまなことに対応してくれる先生がたくさんいます。その中で、適切な指導や便宜を図ってくれるのが、留学生担当の先生なのです。帰国後に進学で必要となる卒業証明書も、留学担当の先生が手続きをして送ってくれますから、志望校を絞る時に留学生担当の先生と直接メールや電話でやり取りしてみると、学校選びの1つの指針になると思います。

緒方昌子