子どもマネー総合研究会

子ども手当は結局どうなるの?

与党である民主党のお約束では、2011年度以降、子ども手当として中学生以下の子ども1人当たり月2万6000円を支給することになっていました。ですが、財源が足りないため、10年度は半額の月1万3000円とする時限立法を作って支給してきました。

満額支給を実行するには、新しい子ども手当法を作って国会を通さなければならないのですが、財源のメドが立たず、満額支給は行わないことになりました。その代わりに浮上した案は、昨年7月の参議院選挙前は中学生以下の支給額を2万円や1万8000円に引き上げることでした。この案も、財源が全く足りないことがわかって断念。参議院選挙後は月1万5000円~1万6000円の案が出ましたが、最終的には、3歳未満に限って月2万円に引き上げる案で落ち着きました。

この新しい子ども手当法案は、今年に入って通常国会に提出されましたが、最大野党の自民党と公明党から猛反対され、3月に入っても成立の見通しが立ちませんでした。そんな最中、東日本大震災が発生、議論は一時棚上げに。3月31日までに法案が通らないと、それ以前の児童手当(児童手当法は恒久法)に戻るのかと危ぶまれましたが、3月31日に現行の子ども手当を半年間延長する「つなぎ法案」が成立。その代わり、新しい子ども手当法案は取り下げられてしまいました。これで、9月までは今まで通りに支給されますが、その後のことは9月までに決めないと、また児童手当に戻ってしまうことになります。

10月以降の子ども手当をどうするかを検討している民主党の執行部は、支給対象は現行制度と同じ中学生以下ですが、支給額を月1万円に減額することで調整しているようです。公明党の児童手当拡充案に、限りなく近い内容です。子ども手当の支給額を減額することで浮いた予算は、東日本大震災の復興財源に回すそうです。

10月以降も、所得制限が設けられた上で(被災者には所得制限を設けないかも)、月1万円の子ども手当の支給は継続されそうですが、今のような不安定な政局が続く限り、いつひっくり返されるかわかりません。今回の子ども手当の迷走ぶりを見て、手当はコロコロと変わるものだということを実感したママたちも多いのでは?(子ども手当の話だけではありませんが)

大震災から立ち直るには莫大な復興資金が要ります。どこかから復興財源を捻出しなければならないのは分かりますが、いきなり「子ども手当」の見直しが取りざたされるのはいかがなものでしょうか? 「子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する」という理念は、そんなに簡単に引っ込められるもの(引っ込めていいもの)だったのでしょうか?

つくづく、日本は子どもと子育て世代に優しくない国だと思います。だからこそ、優しくしてくれるのをジッと待つのではなく、「子どもたちがこれからの日本を支えていくのだから、育てている私たちにもっと優しくしてください」と訴えないといけません。そのためには、もっと政治に興味と関心を持ち、子育て世代に優しい政事(まつりごと)をしてくれる政治家を増やすことが大切です。その手段の1つが選挙です。

これから子育て世代に入る若い層と子育て世代の投票率は、60歳以降の高齢者層に比べて低いので、政治家たちはなかなか目を向けてくれないのです。目を向けてもらうには投票率を上げないといけません。次の選挙は候補者のマニュフェストに耳を傾けて、みなさんにとってよりよい政治をしてくれる人に投票しましょう。

ファイナンシャル・プランナー 小川千尋

小川 千尋(おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー、終活コンサルタント、エディター&ライター、整理収納アドバイザー2級、ハッピーエンディングプランナー
1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャル・プランナーとして、主にマネー誌、一般誌などのマネー記事の編集・執筆・監修・セミナー講師などで活動。オールアバウトのガイドも務めている。親の生命保険に詳しい。

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