子どもマネー総合研究会

子ども手当が人質にされている!

管直人首相は、6月2日に退陣表明をしたことを覚えている人は多いでしょう。 その後、なかなかやめる様子を見せず、「今年度第二次補正予算案」、「再生エネルギー特別措置法案」、「赤字国債法案」の3案件の成立を退陣のメドとしました。8月末の延長国会の会期末までに3案件を成立させて管首相に 退陣してもらうために、与野党、頑張っていますが、すんなりいくか微妙です。

7月15日、「今年度第二次補正予算案」が衆議院の本会議で審議に入り、 「再生エネルギー特別措置法案」は与野党の修正協議に入りました。「赤字国債法案」も、7月15日、約3ヶ月半振りに審議が再開されました。 これで、管首相退陣3案件が国会に出揃ったことになります。

東日本大震災の追加の復興策を盛り込んだ「今年度第二次補正予算案」は、 自民党も公明党も賛成で、22日には成立する見通しだそうです。

「再生エネルギー特別措置法案」は、そのままだと電気料金の大幅な値上がりにつながりかねないことに野党が難色を示し、与野党で修正の話し合いをする運びとなりました。 8月前半の成立を目指しているそうです。

ここまでは、まぁ順調(?)といえそうですが、問題は「赤字国債法案」です。 これは、今年度(来年度ではありません)予算の約4割を占める37兆円の財源を 確保するために成立は不可欠の法案なのですが、成立のメドが全く立っていません。 というのは、野党は、3法案が成立しても管首相はやめないのではという不信を持ち、 民主党の主要政策を「バラマキ4K」と称して、これを撤回しないと法案成立に 協力しないといっているのです。

衆議院と参議院がねじれてしまっている現状では、野党の協力なしには 多くの法案を成立させられないのです。

ここで、ようやく「子ども手当」の話が登場します。 バラマキ4Kの1つが「子ども手当」だからです。 つまり、「子ども手当」は、「赤字国債法案」を成立させるための 人質にされているということです。

現在、「子ども手当」は、「つなぎ法案」によって前年度と同じ内容での給付が 9月まで継続します。その後は、新しい法案を作って成立させないと、 元の児童手当に戻ってしまいます。民主党は、これは避けたいことなのでしょう、 何度か野党(主に自民党と公明党)と見直し案のやりとりをしています。

争点は、所得制限を設けるかどうか。この点については、野党は所得制限を設けること に一歩も譲らず、民主党内部は設けることに反発が強いということで、 なかなか歩み寄れないでいました。 しかし、いつまでも平行線をたどっていていいわけはありません。

そこで、7月15日、民主党は野党に譲歩する、つまり、所得制限を設ける案を2つ示しました。1つは「国が所得制限の水準を示し、支給するかどうかは市区町村の判断に委ねる」、もう1つは「年収が一定水準を超える世帯は全国一律で給付額を減額する」です。 前案は市区町村に丸投げ、後案は児童手当と同じ考え方ですね。 どっちにしても、市区町村は混乱するでしょう。

この案について、野党(自民党と公明党)は7月20日、拒否する返事をしました。 民主党は7月22日に新しい見直し案を提示する方針だそうです。 どんな見直し案が提示されるか、そして、最終的にどんな形で決着するのか、新聞やテレビなどの報道は要チェックですよ。

さてさて、皆さん、この「子ども手当」法案の迷走ぶりをどう思いますか? そして、難題山積のこの国の政治、政治家をどう思いますか?

もう、政治に無関心では、自分たちの生活と子どもたちの未来を守ることはできない時代に本格的に突入したのだという自覚と行動が必要なのではないでしょうか?

ファイナンシャル・プランナー 小川千尋

小川 千尋(おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー、終活コンサルタント、エディター&ライター、整理収納アドバイザー2級、ハッピーエンディングプランナー
1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャル・プランナーとして、主にマネー誌、一般誌などのマネー記事の編集・執筆・監修・セミナー講師などで活動。オールアバウトのガイドも務めている。親の生命保険に詳しい。

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