子どもマネー総合研究会

政権が変わって子ども関連のお金はどうなる?

子ども関連のお金で気になるのは、新政権下で「児童手当」と「高校授業料無償化」がどうなるかでしょう。

「児童手当」は、民主党政権下で「子ども手当」としてスタートし、紆余曲折の末、2012年4月から今の形に衣替えして現在に至っています。「子ども手当」は、民主党の「子どもは社会が育てる」との理念から導入された制度で、その財源確保のために「年少扶養控除」が廃止されました。

自民党は「子育ての基本は家庭」との立場から、政権公約で「年少扶養控除」の復活を掲げました。これを踏まえて、自民党の税制調査会で議論を進めています。その会議では「年少扶養控除」はできるだけ早く復活させるべきだという意見が多いものの、復活させると約1兆円の税収減が見込まれ、「児童手当」の支給額を一部減らすことが不可欠との意見が出ているそうです。それに、地方自治体の事務手続きのシステム整備にも時間がかかることから、平成25年度から(2013年4月から)の復活は間に合わないと、平成26年度以降に先送りする方針です。

平成25年度の「児童手当」はこれまで通りですが、平成26年度以降は姿を変えるかもしれません。「年少扶養控除」を復活させる代わりに、中学生に支給している「児童手当」をなくすという案が出ています。

「高校授業料無償化」についても、自民党は政権公約で見直しを掲げています。その内容は、「所得制限を設け、真に『公助』が必要な方々のための政策に転換」するとのことです。自民党は、所得制限がお好きなようです。この公約を実現するには、高校無償化法の改正が必要で、平成24年度中、つまり、今年3月中の法改正は困難とみられ、平成25年度からの所得制限は見送られます。こちらも、「児童手当」同様、平成26年度以降は姿を変えそうです。

この他、自民党は、「幼児教育の無償化、義務教育での就学援助制度の拡充、高校・大学における給付型奨学金の創設」に取り組む旨を政権公約に掲げています。どこに財源を見出す気なのかは知りませんが。

チーム安倍は、精力的に動き回っており、1月に入ってから緊急経済対策をまとめました。 その中に、祖父母から孫への教育資金の贈与を一定額まで非課税にする制度の導入や、贈与税に関わる「相続時精算課税制度」を見直すことで、高齢者から子や孫世代への資産の移転を促すための贈与税の見直し案も盛り込まれています。

「児童手当」や「高校授業料無償化」など既存の制度やこれからスタートすると思われる制度、税制、日本を元気にするための様々な政策は、みなさんの生活に直接的・間接的に関わることなので、議論の進展に目を光らせてくださいね。

小川 千尋

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