子どもマネー総合研究会

税金はどう変わるの?

これから税金はどう変わり、私達の暮らしにどう影響するのでしょうか? 子育て世代は何かとお金がかかるもの。 その中でも、住宅と教育にかかるお金は家計への影響がとても大きいものです。 そこで、今回の改正案から「住宅ローン控除」と「教育資金の贈与」をピックアップしました。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

まず、住宅ローン控除(減税)です。 消費税が上がるタイミングに合わせて、控除限度額がアップされます。 控除期間は変わらず10年です。

ポイント

  • 期間が4年間延長(平成29年12月31日まで)
  • 控除限度額がアップ
  • 住民税の控除額もアップ(平成26年4月~平成29年12月)
  • 所得税から引ききれなかった住宅ローン控除額は、翌年度の住民税から最高で97,500円 まで控除することができますが、この最高額が136,500円にアップされます。

    教育資金の一括贈与の非課税(平成25年4月1日~平成27年12月31日)

    注目は、贈与税。 「教育資金の一括贈与の非課税」が新しく登場しました。 子どもや孫への教育資金のための贈与が、最高1,500万円まで非課税になります。 法案が成立すれば、早速今年の4月からスタートです。

    ポイント

  • 30歳未満の子どもや孫の教育資金
  • 学校等の入学金等・学校等以外の一定の教育資金
  • 子・孫ごとに最高1,500万円(学校等以外への支払は500万円)まで贈与税が非課税
  • 銀行や証券会社等に預けて、そこから払い出しを行う
  • 30歳までに教育資金として使い切れなかったら、残りの金額に贈与税がかかる
  • 30歳までなので、大学院や留学にも使えるかもしれませんね。

    受験生の親御さんから、「入学金を祖父母が援助するといっているが…。」とご相談されることがあります。 贈与は本来「あげます」→「もらいます」で成り立つもの。もらった側に贈与税が課税されるのですが、こうした優遇策を使うことで税金がかからずに済むことがあります。逆に、条件が揃わなければ、せっかくの優遇策を使いたくても使えずもったいない、ということもあります。

    贈与税には、「歴年課税」と「相続時精算課税」の2つの制度がありますが、原則は暦年課税。贈与を1年ごとに計算するもので、毎年110万円の基礎控除額までなら贈与税はかかりません。

    一方、「相続時精算課税」は、将来、相続の時にすべての贈与を相続税の計算に含めて 精算するもの。65歳以上の親から20歳以上の子への贈与について、原則2,500万円まで なら贈与税がかかりませんが、一度選択したら取り消しできず、途中で止めることもでき ません。

    改正案では、「親→子」の贈与だけでなく、「祖父母→孫」にも使えるようになります。 また、親・祖父母の年齢についても60歳へ引き下げられるため、より使いやすくなります。

    こうしたことから、国はより一層、高齢者層から若年層への贈与の拡大策を考えていると思われます。

    子育て世代の家計は、結構厳しいのが現状だと思います。 そこで、次世代を担う子ども達を「みんなで育てていく」という視点で考えると、こうした 制度を上手に使うことも一策です。 でもせっかくなら、無駄に税金がかからないようにしたいものです。 そのためには、まずしっかりと制度の内容や条件を確認してくださいね。

    今回は2つの減税案をご紹介いたしましたが、一方で所得税の最高税率のアップのほか、 相続税の基礎控除の引き下げや最高税率のアップなどの増税案も盛り込まれています。

    このように税金がどう変わるかで、ご家庭のキャッシュフローにまで影響することが あります。 ご家族皆様の大切なライフプラン。夢を叶えるためにも、一度作ったら終わりではなく、 定期的に見直してメンテナンスされることをおすすめします。

    中島典子

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