子どもマネー総合研究会

教育は子どもの将来への投資ですが……

私は某フランチャイズの英語教室を運営しているのですが、教室に通ってくださる生徒さんや保護者さんと接しながらいろいろ気づいたり、学んだりすることがあります。

3月から4月は入れ替えの時期で、新しくレッスンをはじめる生徒さん、小学校時代は教室に通っていて、中学入学を機に塾に切り替える生徒さん、高校受験の先を見越して英語のレッスンを続ける生徒さんなど、いろいろな生徒さんがいらっしゃいます。

さらに、習いごとも1つではなく、塾へ通いながら、他のお稽古ともかけもちするというのが最近の傾向です。毎年この時期はタイムテーブル(時間割)づくりに悩むこともありますが、選んで通ってくださる生徒さんや信頼して預けてくださる保護者さんには頭が下がります。講師の側としては、楽しいだけではなくて、しっかりと基礎固めをして、使える英語力を身につけてもらえるよう全力でむきあわなければと気が引き締まります。

ご存じのとおり英語は2011年から小学校高学年では必修科目となり現在に至っています。その背景として、経済のグローバル化、IT技術の進展などにより国際的なコミュニケーションツールとして英語の重要性が増したこと、またアジア諸外国の小学校での英語必修化の動きも影響していると思われます。

社内英語公用化を進めたり、TOEICのスコアを採用や昇進の条件にする企業も多くなっている今、英語の重要性については誰しも理解しているところだと思います。そうした流れから、お子さんに早くから英語を習わせようという保護者さんも多くなっています。

そんな中で、ときどき受ける質問が

「うちの子、先生のところで英語伸びますか」

というものです。この答えは「はい」とも言えるし「いいえ」とも言えます。

英語を教えている立場からの個人的な感想ですが、生徒さんはどの子も個性を持っています。成長のペースもその子その子で違っています。英語の音をキャッチし、上手に真似ができる子、英語のお話の読み聞かせが好きな子、英語の歌が好きな子、逆に嫌いな子、クイズ感覚で英語の練習問題を解くことに達成感を覚える子など、伸び方も伸びるスピードも本当に千差万別。講師としては、その子の得意な部分、できている部分にフォーカスし、ほめたり、励ましたりして、英語力を伸ばすことに最大の努力を払うわけですが、どの子も1年、2年と続けるうちに前には読めなかった単語や文が自分で読めるようになったり、聞きとり(リスニング)の力がついて、何を言っているかわかるようになったり、それぞれ必ず伸びてきます。

ただ、大きく伸びるかどうかは生徒さんのやる気次第ということになります。たとえば、某歌番組で、外国人アーティストの通訳をする姿に憧れ、自分もあんな風になりたい!と思うお子さんは、ある日を境にぐんぐん伸びて、学年トップの英語力を持つに至りました。また、英語講師としてはじめて中三受験生を指導した時、その生徒さんの英語力はギリギリ平均でしたが、生徒さん自身がどうしても英語を伸ばして志望高校へ入学したい!という強い気持ちでどんな小さなアドバイスも真剣に受け止め自分の力にして、見事合格を勝ち取りました。「もっと英語を話せるようになりたい。」と思えばどんどん英語力は伸びます。けれども仮にどんな優れたテキストを使い、どんな指導法を用いたとしても、そもそも英語に興味や関心がないと、やらない⇒わからない⇒おもしろくない という英語に対する悪循環が形成されてしまい、やがて英語嫌いになってしまう可能性さえあります。

それでは、せっかくの我が子に対する投資は全く意味をなさなくなってしまいますね。最後は「伸びたい・もっとがんばろう」という気持ちが大切なのは英語に限らず、塾でも他の習い事でも同じなのかなぁという気がします。

「教育というのは、子供の可能性を引き出して伸ばすことである」 この言葉は次男の高校卒業式での校長先生の言葉です。本当にその通りだと思います。 英語に限らず、子供は一人ひとり違うし、いろいろな個性も特技も持っています。我が子が一体何に向いているのか? 正解はだれにも分かりません。

同じ教育費をかけると言っても、かけ方を間違えると、子供のための投資にはならないこともありますよね。もしかするとせっかくの可能性をつぶしてしまうかもしれない。一方で、無駄に教育費を払うことになるかもしれない。やはり我が子をよく見て教育費のかけ方を考えたいですね。高校・大学と進学するにつれて教育費用も大きくなります。教育費が将来の老後資金を圧迫することもあるかもしれません。目先のメリットだけを追うのではなく、将来を見据えて教育も考えお金の使いどころも考えていきましょう。

近藤 鑑代

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