子どもマネー総合研究会

加害者になることもあるんです

世の中いろいろな事件はありますが、そもそも人は日常生活の中で、他人に危害を与えたいとは思ってはいないはずです。娘が自転車で歩行者にケガをさせてしまった時も、ちょっとした気の緩みから起こしてしまったと思います。最初はケガをさせてしまったことに驚き、次の瞬間は相手の方を心配して相当ショックを受けていました。車や自転車を運転するということは、自分がケガをすることもありますが、いつでも加害者になり得るということなのですね。

加害者となって人や物に危害を与えてしまったら、謝罪とともにその責任を負わなければなりません。ケガをされた方は暫くの間病院に通って治療することになりました。幸いにもすぐに病院で診てもらえたこともあり、短い期間の通院で済んだようで、早期に回復されたことに娘も私も安堵しました。

こちらの謝罪に対して、被害に合われたにもかかわらず、病院での治療費をお支払いすることのみということでお許しいただきました。もし、もっと大ケガをされていたり、治療のため仕事に支障が出たり、後遺症が残る場合であったら、治療費以外の費用も賠償責任を負う必要があったかもしれません。

ただ、この治療費ですが想像していたより高額で驚きました。普段私達が病院で支払う治療費は各種健康保険を使っているため、実際の治療費の3割(小学校入学前の乳幼児と70歳以上で現役並みの所得ではない方は2割)負担となっていますが、加害者は全額の10割を負担する義務があるのです。

一般的に自動車でケガを負わせたら自動車保険が使えますが、自転車の事故でケガを負わせた場合はどうなるのでしょうか。

自転車の場合は、「個人賠償責任保険」が使えます。「個人賠償責任保険」とは、自転車の事故に限らず、日常生活で他人やモノに損害を与え、法律上の損害賠償責任を負わなくてはならない場合に適用される保険です。ただ、単独の保険商品として各保険会社で扱っているところが少ないのが現状です。その場合、火災保険や自動車保険などに特約として加入することが可能で、その場合契約者本人のみでなく、同居の親族や、別居だが生計を共にしている未婚の子も対象になります。

我が家の場合、加入している火災保険に特約として付加されていることが判り、この保険で治療費の支払いを済ますことができました。特約が付いていて本当に助かりました。仕事柄恥ずかしい話ですが、火災保険に加入する際にこの特約を付けることに意識はした訳ではなく、たまたま付加して契約していたのでした。

近年、交通事故に占める自転車事故の割合は増加傾向にあるそうです。大人も起こす自転車事故ですが、経験値の少ない子どもは特に注意が必要です。子どもの日常生活上のリスクという面からか、学校やPTAといった団体が任意で契約するタイプの保険の中にも、自転車事故に対応するものもあるようです。

賠償責任を負うような場面というのは予想外の大きな出費があるだけでなく、ケガをさせてしまった本人も精神的ダメージを受けます。子どもがそういったダメージを受けているのに、親は出費のことで頭を抱えてしまうという事態は避けたいものです。

加入されている火災保険や自動車保険や、お勤め先や子どもの学校の保険、またクレジットカードに付帯されているという場合もあるので、今一度確認されてみるのはいかがでしょうか。私のように意識せず特約として付いているというご家庭もあるかもしれませんが、補償が重複している場合もあり得ます。加入されている各保険会社に問合せると教えてもらえますが、数社で契約がある場合などは、総合的に判断できる、我々ファイナンシャルプランナーのような専門家に相談してみることをお勧めします。

ファイナンシャル・プランナー 大澤亜紀子

大澤 亜紀子 (おおさわ あきこ)

ファイナンシャルプランナー 、子育て・教育資金アドバイザー
2008年、 AFP資格取得。 生命保険・損害保険営業、企業系ファイナンシャルプランナーを経て現在はライフワークとして子供の金銭教育・女性向けマネーセミナー などで活動中。

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