子どもマネー総合研究会

子育て世代向けの税制改正と予算案が出そろいました

税制改正大綱の中で、子育て世代に関係があるのは、非課税贈与の拡充・新設と子ども版NISAの導入です。非課税贈与は、お金をたくさん持っている高齢者(両親・祖父母)から、 消費意欲が旺盛な若年層(子・孫)への資産移転を促そうというもの。これまで、教育資金と住宅資金に導入されていました。

教育資金贈与は、29歳までの子・孫1人あたり1500万円までの贈与は課税されないもので、2015年末が期限でした。これを、2019年3月まで延長するとともに、入学金や授業料に限っていた使い道を拡大。通学のための定期代や留学のための渡航費などもOKになりました。

住宅購入資金は、2015年末で終了する予定でしたが、これも、2019年6月まで延長されました。と同時に、非課税枠が2014年の1000万円より多くなります。2015年度中は1500万円、2016年1月~9月は1200万円、同年10月~2017年9月は最高の3000万円、同年10月~2018年9月は1500万円、同年10月~2019年6月は1200万円です。

そして、新たに、結婚・出産・子育て費用の非課税制度が創設されました。これは、20歳~49歳までの子・孫1人あたり1000万円まで、結婚・出産・子育てに使う資金を贈与しても課税されないというもの。期限は2015年4月~2019年3月までです。

政府は、手を変え品を変え、あの手この手で、高齢者から若年層へ資産を移転させようとしています。が、安易な贈与は、する方もされる方も要注意です。というのは、祖父母世代の高齢者や親世代の中高年は予想以上に長生きします。20年・30年後は90歳超どころか100歳超えも珍しくなくなるでしょうから、このくらいの老後資金を残しておけば大丈夫だと残りを贈与してしまうと、最晩年にお金が枯渇してしまう可能性があるからです。この時期は特に介護にお金がかかるので、その分を残しておかないと本人も家族も困ります。非課税贈与はほどほどにが肝心です。

ジュニアNISAは、2014年1月からスタートした成人向けNISAの子ども版です。NISA(少額投資非課税制度)は、毎年、一定額までの株式や投資信託などの投資商品で得た配当や売却益を非課税にする制度。20歳未満の子どもを対象とした制度は、2016年からスタートします。子どもが投資のお金を出したり運用の指示を出すわけにはいかないので、両親または祖父母が代わって、子どもの専用口座で投資することになります。非課税になる限度額は、年80万円まで。子どもにかかる教育資金などのお金は、投資で稼ぎ出せということのようです。今年の秋くらいから、証券会社や銀行などの口座獲得合戦が始まるでしょう。

2015年度予算案に盛り込まれている子育て支援は、保育施設を整備して待機児童を減らす、学童保育の定員を増やす、保育士の給料を上げるなど、女性が子どもを育てながら働きやすい環境作りに力を入れています。ただ、2014年、消費増税の影響を和らげる対策として配った「子育て給付金」は、今年も継続されます。2014年は中学生以下の子ども1人あたり1万円でしたが、今年の給付額は3000円です。本来は、予算がないことから、2014年1回限りの給付でしたが、今年も継続するのは、春に統一地方選挙があるからだそうです。 政治家たちは、当選するためにお金をばらまきたいようです。3000円では何ほどのこともできないでしょうけれど、もらえるものはもらいましょう。

ファイナンシャル・プランナー 小川千尋

小川 千尋(おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー、終活コンサルタント、エディター&ライター、整理収納アドバイザー2級、ハッピーエンディングプランナー
1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャル・プランナーとして、主にマネー誌、一般誌などのマネー記事の編集・執筆・監修・セミナー講師などで活動。オールアバウトのガイドも務めている。親の生命保険に詳しい。

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