子どもマネー総合研究会

親子で考える電子マネー

皆さんが普段使っている電子マネーには、どんなものがありますか? 私の場合は、財布の中にある2~3枚のカードと定期入れに入っているカードがすぐに頭に浮かびます。ほとんど毎日仕事で外出する私は、それらのカードを使う頻度がとても高いのです。街中では、カードや携帯電話をスーパーのレジや駅の改札で使っている方が多いことにも気が付きます。わが家の高校生の娘は小学生の頃から交通系の電子マネーを持ち、利用しています。

電子マネーとは

現物のお金ではなく、カードや携帯電話を通して電子的なデータのやりとりで決済が行われるのが電子マネーです。楽天Edy(エディ)、nanaco(ナナコ)やWAON(ワオン)、交通系のSuica(スイカ)やICOCA(イコカ)など、なじみのあるところかと思います。

私が最初に持った電子マネーはSuicaでした。今から7~8年前にはなると記憶しております。定期券としても使うことができ、さらにチャージをしておくことで、定期券の区間以外でもいちいち切符を買うことなくスムーズに改札を通ったり乗り換えが簡単だったりで、仕事がらいろいろな場所へ移動する日々の私にとって、重宝するツールとなりました。

電子マネーには、あらかじめお金をチャージしチャージされた分からのみ決済されるプリペイド型と、使った分は、クレジットカード会社からの請求で後から口座引き落とし等で支払うポストペイド型があります。後から支払うこの型式は、あらかじめチャージする必要はありません。

私のSuicaは当初はプリペイド型でしたが、駅でチャージしている間に乗りたい電車に乗り遅れるという事態が多発したのを機に、設定した金額以下になると自動的にチャージされるオートチャージ機能を付けました。その決済はクレジットカード会社からとなります。1枚のカードですが、電子マネーとしてだけでなく、定期券として、そしてクレジットカードとして使えるようになりました。このように、電子マネーの他にクレジットカードやキャッシュカード機能が備わった、一体型と言われるものをお持ちの方も多いかと思われます。

いずれにしても、それぞれの電子マネーの機能を理解して使い、管理することが大切です。使った分を後で払うポストペイド型は、特に気を付けないと使い過ぎてしまう可能性もあります。子どもの場合、クレジットカードを持つことのできない年齢では、ポストペイド型の電子マネーも基本的に持てないという考え方になりますが、例えば家族会員となっているクレジットカードと連動するポストペイド型の電子マネーであれば、使えるということもあるようです。

メリットとデメリットを理解する

電子マネーを持つ、使うメリットとデメリットをあげるとしたら、どんなことでしょうか。皆さんの普段の使い方やイメージにより様々かと思いますが、私の場合はこうです。

《メリット》

  • お財布が小銭でふくらまない
  • レジでの会計がスピーディー
  • 駅の改札を通るのもスピーディー
  • ポイントが貯まることもある
  • 現金で切符を買うより運賃が安くなる場合がある
  • 《デメリット》

  • 電子マネーを忘れて外出すると大変
  • ついつい使いすぎる
  • 皆さんはいかがでしょうか。あくまでも私の使い方においての感じ方ですが、デメリットよりメリットを多く感じております。 携帯し忘れてしまったり、ついつい使いすぎてしまうということは、管理の甘さです。自分の行動を変えればデメリットではなくなる部分です。

    私は数枚の電子マネーを使い分けていますが、わが家の娘は冒頭でも書いたように交通系のものを利用しています。持ち始めた小学生の頃は、電車やバスに乗る時のみ交通費として使っていましたが、高校生となった今は同じカードであっても交通費以外に買い物にも使っています。

    現在ではコンビニやスーパーでの買い物も、交通系電子マネーが利用できるなど、相互で決済ができるような時代になりました。そういう便利な時代になったと同時に、使い方に気を付けて管理をしていかないと不便なものにもなってしまいます。子どもが電子マネーに興味を持ったり、使うようになったり、すでに使っているというご家庭では、親子で意見を出し合ってみると良いかと思います。

    親子で考えてみる

    子どもが持てる電子マネーは、プリペイド型であらかじめチャージするので使い過ぎることは無いと思っていると、そうではありません。使うたびに目に見えて少なくなるのがわかる現物のお金と違い、チャージしたカードで、ピッと決済されてしまう電子マネーでは、何にいくら使って今いくら残高があるのかを確認するためには工夫が必要です。 電子マネーで使った分と残高は、コンビニやスーパーで会計した際のレシートや、交通系のカードであれば、駅の券売機で利用明細を取り出し確認することが出来ます。このような工夫をすることで現状を確認し、そして記録することが大切です。

    記録することの大切さは、現物のお金を使う場合でも同じです。何にいくら使い、残高がいくらなのかを記録することで、お金を管理する習慣が身に付いてきます。大人であれば家計簿で、そして子どもはおこづかい帳を活用することが、この記録と管理になります。

    子どものうちからおこづかい帳に記録していくということが、とても大切ということです。そのおこづかい帳を親子で見て、使ったお金が必要な物なのか無駄使いをしてしまったのかを話し合い、時にはルールを作るのも良いと思います。

    電子マネーを取り入れるのかどうかは、家庭の考えや教育方針で違いはあると思いますが、子どもが大人になって自分で得た収入で生活していくようになる時、時代の流れを見てみても、電子マネーはもっと普及しているでしょうし、使い勝手も多様になっているかもしれません。

    お金への考え方や使い方は習慣の積み重ねであり、子どもであれば成長するにつれ、その習慣が活かされるのだと思います。電子マネーも現物のお金も同じで大切であるということを子どもが理解できるよう、親子でお金について考える時間を持つことが、最も身近に行える金銭教育であると思います。

    大澤 亜紀子

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