子どもマネー総合研究会

自分に合った家計管理法を見つけよう!

ますます不確実性が高まる時代を生き抜くには、子育て世帯にとっても「金融リテラシー」はとっても大事です。入ってくるお金が同じであれば、どう貯めてどう使うかの行動の違いが、子どもたちの将来の進路や進学そのものに影響する場合もあります。「自分に合った家計管理法」を見つけて上手に家計をコントロールすることは、子育て世帯にとっても今後ますます大事なスキルになりそうです。

あなたはどのタイプ?

これまで多くの家計を拝見してきて、分類するなら3つのイプに分けられると思います。あなたはどのタイプに該当しますか?

ストイックタイプ

支出管理も貯蓄管理もしっかりできていて、長期的にも問題がない「ストイックタイプ」。家計簿を付けている人も多く、すでに家計管理のスタイルが確立。何も問題がない方です。

結果オーライタイプ

もともとそれほどお金を使わない体質で、自然と貯蓄ができています。家計簿をつけておらず、支出管理もあまり意識して行っていないものの、ほとんど問題はありません。

なりゆきタイプ

支出管理も貯蓄管理もなりゆき任せで、貯蓄ができないなど、すでに問題が起きているケースも。家計の永続性という視点がなく、貯蓄も目先のことに使ってしまいがち。

家計管理は自分に合った方法で

家計管理を行うには、家計簿をつけないといけないかというとそんなことはありません。性格などによって合う方法が異なって当然です。「管理」ができていれば、家計簿をつけなくても問題はありません。大事なことは、中長期で必要になるお金をしっかり準備しながら、日々の生活を送ることです。

家計管理のうち支出管理を行うには次のような方法があります。どの方法が自分に合っているか、冷静に考えてみてください。

(1)家計簿をつける
家計簿は、つけるにこしたことはありません。「レコーディングダイエット」のように、記録をつけることが節約意識を高める効果もあるからです。家計簿は自分に合ったものを選ぶことが大事です。家計簿アプリやPCの家計簿ソフトを利用するか、エクセルでつける、市販の家計簿を使う、大学ノートに線を引いて使うなど、さまざまです。自分にはどれが合うか、いろいろ試してみるといいでしょう。

(2)レシート貼るだけ管理
家計簿をつけずに支出の記録をする家計管理法の1つ。費目ごとにレシートをペタペタと貼り付けておくだけ。新品のノートである必要はなく、カレンダーなどに貼る人もいます。ただし、電車代やバス代などそもそもレシートがないものだけメモを書いておきます。毎月、費目ごとの合計を出し、1か月の支出として記録します。

(3)費目別袋分け方式
食費や外食費、日用雑貨、レジャー費、被服費、理容・美容費、子供費、雑費など現金で使う支出を洗い出します。毎月決まった日に、それらの予算分を現金で引き出し、費目ごとに袋に入れて管理します。袋には費目名を書きます。費目ごとにいくら使ったかや、残高メモも封筒につけ、今月あといくら残っているのかをわかるようにします。

(4)1週間予算管理
食費、外食費、日用雑貨、レジャー費など特定費目を集中管理したい場合の方法です。たとえば食費・外食費の場合、お米やビールなどの不定期な予算は先に引き、残りを「5週」で割ります。食費・外食費が4万5000円、お米・ビールが5000円として、残りを5週で割れば週の予算は8000円。最後の週にゆとりが生まれるので5週目にちょっと飲みにも行けるかもということに。日用雑貨を含めた予算にしてもOK。

クレジットカードの管理がツボ

スーパーやドラッグストア、量販店をはじめ、さまざまな店舗のポイントカードにクレジット機能が付いたカードがあり、何枚もクレジットカードを持っている人も少なくないのでは? 年会費無料で気軽に作れるものも増え、割引やポイント付与の魅力から支払いにクレジットカードを利用する機会は増えています。使用するカード枚数が増えれば増えるほど、家計管理は煩雑になります。

家計管理の際、現金で支払った分とクレジットカードで支払った分の管理が上手くできず、支出をふくらませてしまう人もいます。カードで支払った分が口座から引き落とされるのは翌月か翌々月になるため、口座に現金が残ることからつい使い過ぎてしまいがちなのです。人によっては、ポイントや割引の誘惑に乗ってネットショッピングなどもかさみ、支出過剰になってしまう人も。

現金の支出と、クレジットカードによる支出がある場合は、どう管理したらすっきりするでしょう? 

クレジットカードは、使ったときに記録・管理をする「発生主義」と、引落前にクレジット会社から届く請求明細で管理する「引き落とし主義」に分けられます。また、選択肢としては、口座の残高の範囲でしか使えないデビットカードに置き換えるのも一法。その中で、自分が選んだら、それを徹底するのです。

「発生主義」は使った分を月末に、クレジットカード引落専用口座に入金するなどして、実際の現金を調整する必要があります。「引き落とし主義」の方も、引き落とされた内容を今月の支出と捉え、残りを生活費に充てる、ということを忘れないようにしましょう。

突発的な支出に備えて生活予備費を貯めよう

家計管理で非常に大事だと思っているのが、生活予備費の確保です。特に、子育て世帯ほどしっかり備えておく必要があります。

リストラや勤務先の倒産などで収入が減ったり、家族が病気・事故で入院した、親が倒れて看護や介護が必要になった、家電が壊れたなどのほか、自然災害に遭ったときなどもそうですが、突発的な支出は家計管理を狂わせます。家計が「非常事態」に陥ったとき、カードローンなど借金をしないで済むように、ある程度の生活予備費を確保することは大事です。

生活予備費は、会社員であれば生活費の3~6カ月程度、派遣社員や自営業、自由業であれば6カ月~1年分程度を目安に準備するのが理想です。何らかの理由で収入がゼロになっても、「6カ月の間に立て直せばいい」と開き直ることができる金額といえます。

たとえば、貯蓄を除く生活費が1カ月20万円の場合は次の通り。

20万円×6ヵ月=120万円(6ヶ月分の場合)

この生活予備費は、いつでも換金できる定期預金や普通預金など、「流動性」のあるもので用意しておくこともポイント。また、生活予備費は年代が上がるごとに少しずつ増やしていくことも大事です。40代以降は病気の罹患率も上がるうえ、親の介護、配偶者の介護といったリスクも高まるためです。

ファイナンシャル・プランナー 豊田眞弓

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー
経済誌・経営誌などのライターを経て、1995年より独立系ファイナンシャル・プランナー。個人相談やセミナー講師の他、書籍・雑誌の執筆や監修などで活動。

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