子どもマネー総合研究会

一番身近な金融教育、大人も学べるお小遣い帳の習慣

私の娘は、5歳からお小遣い帳をつけています。

当時は金融教育の一環、というつもりもなく、たまたまその年にいただいたお年玉を自分で持っていたいと言い張ったので(欲張りですねー)全部持ち歩いてなくさないように、少しずつ自分のお財布に移して記録しながら使うようにしよう、と決めたのがきっかけです。

最初の年は3万円くらいあったお年玉から2000円くらいを自分用のお財布に入れて、お出かけのときに使うお金のうち子供用のものは全部そこから出すようにしました。で、なくなるとまた補充するという感じです。それまで私も子どもにかかる費用がどれくらいあるのか考えたことはなく、あんまり物をねだる子ではないので、ほとんど減らないのではないかなーと思っていました。ところがお出かけのたびに欲しくなるお菓子、飲み物、おもちゃ、絵本、雑貨(保育園で使用するものは親が買うルールにしましたがそれ以外のおしゃれ小物やらガチャガチャ系)など、累計するとかなりの額になるということがわかりました。最初の1ヶ月で5千円くらい使ってしまって、まだ足し算も引き算もおぼつかない娘と一緒にノートをつけながらかなり速いペースで減ってるよー、ということを伝えました。

娘がそれを理解していたか、というとそうでもなく、減ってもまだまだたくさんあると思っているようでした。この調子だときっと年内に資金も尽きるだろうな、と思った私は、 あえて実験的にそれをやってみようと決めて、使い方に一切口を出さず続けてみました。

お出かけの頻度も一定ではないのでそんなに減らない月もありましたが、やはり夏休みなど一気に減って年の後半は元手も1万円を切ってしまいました。お小遣い帳の残高をみて娘も桁が少なくなったのはわかったようで、外出して欲しいものがあると「お金が減ってきたから、これはママが買って」と言うようになりました。

こういうなしくずし的な流れも予想していたので、あらかじめ好きなように使っていい代わりにお金がなくなったら我慢をしなければいけない、という話をしていました。なので、決めたことを守ろうね、と言い聞かせるようにしました。娘は仕方なく、この時点で初めて使い方に気をつけるようになったのです。

娘は色つきの入浴剤が好きで、お気に入りのグッズはマスコットが中から出てくる入浴剤で1つ300円くらいなのですが、お金の残りがなくなってきてからはマスコットなしの 100円くらいのものを買ったり、私の持っているアロマオイルでも満足するようになりました。絵本はシール絵本のような1回読んだら繰り返し楽しめないようなものは買わず、図書館で読んでやっぱり自分でも欲しいものを買うようになりました。玩具つきのお菓子を選ぶことが少なくなり、ガチャガチャも「欲しいものが入っているとは限らないからいらない」というようになりました。私が想像していたよりもずっと柔軟に工夫し、これは我慢できるかな?と思っていたところも出来るようになって驚くほどでした。

前半あまりにハイペースで減っていくときは正直こんな小さいうちに浪費の癖をつけてしまったらどうしよう、とかどうしても欲しがったら借金の概念も教えないといけないかしら、と心配もしましたが、危機感を感じるとちゃんと学習するのですね、きちんと年末にはわずかですが残高が残りました。けれども娘が欲しがっていて、10歳になったら自分のお金で買ってもいいよ、と言っているゲーム機をこのペースで買うのは難しいと悟ったようです。 私もやってみてわかったのはやはり5歳の子にあまりに大きな単位では全体像がつかみにくいということでした。翌年はお年玉のうち使える額を月に500円と決めて残りは本当に欲しいもののために貯蓄するようにしました。使いみちも、初年度の浪費から節約の経験で大分無駄なものが見分けられるようになりましたが、そうは言っても500円だとかなりタイトなので私が読ませたい本や、一緒に遊べる折り紙などは私が買うというルールにしました。

これって実は大人のプランニングと共通することなのではないかと思います。 目標を決め、使えるお金とためるお金を分ける。どうしても必要なものは別として、無駄なものはなるべく買わない、でも、あると気持ちが豊かになるものは予算を決めてその中で買う。 娘がそれを習慣になるようにサポートするのは、私にとっても「親もちゃんと目標のために予算決めないと」という気になれてとても励みになります。 大人の場合は目標もひとつではなく時期が重なったり額も大きかったりより複雑ではありますが、基本は「本当に欲しいもの、やりたいこと」は何かを明確にして、そのためにいろんな工夫をしながら、今の豊かさに偏ることなく心安らかに過ごすことだと思います。

私の場合は好きに遣わせる、というかなり荒い方法ではありましたが、物質的な豊かさが当たり前の子どもにちょっと先を考えて今の行動を変えることを伝えていくのは、今後の社会構造の変化に耐えられる人間を育てるためにも大切な金融教育だと思いますし、大人も子どもの工夫に学べることは多いのではないかと思います。お小遣い帳、おススメですよ。

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波柴純子