お年玉でお金を貯める楽しさを教えよう
お年玉の平均は?
お正月にたくさんのお年玉を手にしたお子さんも多いでしょう。川崎信用金庫の平成27年1月「お年玉とお正月調査」によると、川崎信用金庫営業区域内の小学生のお年玉の平均は24,971円。お年玉の使い道は、貯蓄の平均額が18,382円と約7割を貯蓄に回しているようです。
子どもが物心つく前は、おじいちゃん、おばあちゃんから渡されたお年玉袋をさっと回収し、子どもの将来のために子どもの通帳に預金するなんてことも簡単にできますが、だんだん大きくなるにしたがって、親御さんが預かってあげるといっても拒否されるなんてことも。
欲しいものがあるなど使い道がはっきりしていればそのままでもいいかもしれませんが、とりあえず使い道のない大金を子どもの貯金箱に入れておくのは防犯上ちょっと困ったものです。そんな時はおうちで銀行口座を開いてみませんか。
おうち銀行で貯める楽しさを!
以前知人から聞いた話ですが、そこの家庭では金銭教育の一環として、親御さんが銀行を作っていたそうです。名付けて「おうち銀行」。もらったおこづかいやお年玉を「おうち銀行」に預けると、普通の銀行同様利息がつくもので、実際の金利よりもかなり高金利だったそうです。通帳を作ってもらい、楽しく預金について学べたそうです。
パソコンの得意な親御さんなら、実際の通帳のように使えるお子さん専用のかわいい通帳を作ってみてもいいですね。小学生以上なら入出金と残高を子どもに記入させて親御さんがチェック。あとは月に1回など時期を決めて、利息を記入してあげればOKです。足し算、引き算、金利の計算にも強くなるかもしれません。実際の銀行で口座を開設するのももちろんいいですが、幼稚園や小学校低学年の頃はこうした遊びの延長で、銀行というものに親しんでおくのもいいのではないでしょうか。
今時は銀行に預けていてもたいした利息はつきませんが、そこはちょっと頑張って、子どもがやる気になるくらいの利息をつけておかないといけません。子どもかわいさに張り切って高金利をつけるとあっという間に破綻しかねませんのでご注意を!親御さんのお小遣いから利息をつけてもいいですし、実際に親御さんが投資している株などと一緒に運用して利益を還元するのもいいですね。どうやってお金が増えたのか、子どもも興味をもってくれるはずです。別の知人のお宅では、子どものお年玉を借りパチンコで一儲けして子どもに返そうというお父さんがいたそうですが、運用方法を間違えると父の権威が地に落ちることになりますのでご注意ください。
利息はつかなくとも大人なら預金残高が増えるのは当然嬉しいものですよね。「通帳の預金残高が増えるのはうれしいもの」という認識を、子ども時代に植えつけることでとりあえず「貯める喜び」を教えてみてはいかがでしょうか?
アメリカではパパ銀行が!
以前アメリカで「パパ銀行のマネー哲学」という本が出版されました。日本では2002年発売とありますが、実はわたくしこの本を知らず、このコラムを書いている中で初めて知りました。同じようなことをしている人は世界各地にいらっしゃるようです。
家庭によっていろんなやり方があると思いますが、子どもは親のお金の使い方をよく見ています。自分も無駄遣いをしていないか、もうちょっと貯蓄できるんじゃないかと日々の生活を見直すことで、預金残高が増える喜びにまた出会えるかもしれませんよ。