お餅が起源のお年玉。キャッシュレスで渡す際はココに注意!
お年玉の起源や、目安額、キャッシュレスで渡す際の注意点などを整理してみました。
お年玉は昔、お餅だった
お年玉のルーツがもともとはお餅だったことはご存じでしょうか?
日本では、お正月には、新年の神様である「年神様(としがみさま)」を迎え、おもてなしをするのが習わしで、年神様は、新年の幸福とともに御魂(みたま)を分けてくださると考えられていました。年神様の魂が宿ったお餅を、目上の人が目下の人へと分け与えたのが「お年魂(お年玉)」の始まりとされています。
徐々にお年玉としてお餅以外の品物やお金を渡す習慣が広がっていき、昭和時代の半ばには、現在のように、大人から子どもへお金を贈る形で定着したようです。
ちなみに、親や祖父母にお年玉をあげる人もいますが、目上の人にお年玉は失礼になります。「お年賀」として渡しましょう。
金額の目安は?
お年玉の金額に決まりはありません。かわいい親戚の子を前にたくさんあげたくなるものの、レートを上げてしまうと、あとが大変。あげる立場の懐を直撃します。現在では、お年玉は親同士の交際費のような位置づけですので、レートが上がるとお互いにきつくなりかねません。子どもたちの金銭感覚を鈍らせないためにも、ほどほどの額にとどめておくのが無難かもしれません。
<お年玉の目安(一例)>
未就学児 500円
小学校低学年 1000円
小学校中学年 2000円
小学校高学年 3000円
中学生 5000円
高校生・大学生 1万円
令和のお年玉はキャッシュレス!?
さて、令和時代のお年玉はというと、現金に加え、一部にキャッシュレスで贈る流れも広がってきました。かくいう私も、2年程前から、遠くに住んでいて、お正月に会えない甥姪へのお年玉は〇〇Payで贈っています。キャッシュレスでも、ポチ袋のイメージで贈ることができたり、メッセ―ジを添えることができたり、お年玉を贈るとくじが付くなど、工夫もなされています。
しかし、「お年玉・贈り物のキャッシュレス化に関する意識調査」(株式会社エイチーム)によると、2024年のお年玉について、あげる側の88.0%が「現金であげる予定」、もらう側の83.3%が「現金でもらいたい」と回答しました。「キャッシュレスであげる予定」は3.3%、「キャッシュレスでもらう予定」は7.8%にとどまりました。理由としては、あげる側が「日本の伝統的な習慣だから」(28.7%)、もらう側は「今まで現金でもらっていたから」(35.7%)といったものでした。
キャッシュレスでお年玉を贈るというのはまだ少数派のようです。また、スマホをもっていて、しかも〇〇Payを使用していることが前提となるため、一定年齢以上の子どもが主な対象になると思われます。
キャッシュレスお年玉の注意点
キャッシュレスの浸透により、キャッシュレスお年玉は今後増えていく可能性はあります。しかし、送る側にとって手軽で便利だからと、例えば中学生の子に一方的にキャッシュレスお年玉を贈るのはちょっと待った!です。
まずは、親御さんに相談をしましょう。その家ごとに、金融教育の方針があるかもしれませんし、キャッシュレスでおこづかいの管理を行っているかどうかわからないためです。また、お年玉の一部を教育資金と位置付けているご家庭では、お年玉の全額を子どもに使わせていない可能性があります。ご家庭の事情があるかもしれませんので、一応、確認しましょう。
親御さんも本人もキャッシュレスでいいとなって、キャッシュレスお年玉を贈る際には、メッセージを付けて贈りましょう。そして、いただいた側も、しっかりお礼の気持ちを伝えるようにしましょう。
なお、一部の〇〇Payでは、0歳から証券口座を開くことができるので、中学生・高校生には、お年玉の一部、100円単位でいいので投資信託を買ってみることなどを促してみるのもいいでしょう。相手が大学生なら、新NISA口座を開いて、少額で積立投資を始めることなどもアドバイスしてもいいのでは?