子どもマネー総合研究会

留学の成功は事前リサーチにあり!

たとえば高校留学と一言で言っても、日本の学校主体での交換留学生のほか、個人で現地の学校へ入学、または編入して卒業するという個人留学もあります。日本ではなじみの深い3学期制ですが、留学先の国によっては、さまざまな教育制度があって、日本の学校での新学期と渡航先の新学期が、決して同じではないということに躊躇することがあると思います。

日本の学校では、入学は4月で卒業は3月、これが国によっては8月後半入学で6月卒業、2月入学で12月卒業なんてことも……。

国も教育制度も違うんだから、当たり前なのですが、実際に留学先の国を決定するまで、なかなかピンときませんよね。それから、年間にかかる費用も支払い時期もまちまちなので、じっくり検討することが必要です。

学校間の交換留学生の場合、学校側がスケジュールを組んでくれるので時期的なものは特別に気にしなくても大丈夫。それが、個人留学となると話は別。

あれ~、同学年の新学期までどうしよう!入学時期に合わせようとすると、日本の学校が中途半端になってしまうこともあるんです。事前によく調べて調整しておかなければならないので、意外と大変でした。

それだけでなく、日本の教育制度に合わせて、定期預金や学資保険の満期の時期を2月にしていたんだよね~! 

我が家のケースでお話ししますと、中学2年生の頃からイギリス留学を念頭に置いて、各種留学セミナーや、留学エージェントに資料をもらったり、旅行を利用して事前にメールでやり取りしていたロンドンの学校を見学に行ったりしました。でも、いざとなったらイギリスは高校生からの留学の敷居が高く、準備していた費用面で間に合わないことが判明。娘には申し訳なかったのですが、英国の教育制度に近いニュージーランドを選択することになりました。英国留学では幅がありますが、その当時学費と学生寮の費用などを含め、年間300万円~500万円の費用がかかると言われました。ニュージーランドの場合、学費とホームステイ費用を含めて、年間230万円~300万円だったのです。費用面で、留学先を変更しなければならなくなったことは、親として子どもに申し訳ないと、つくづく思いました。

そんな親の気持ちを察してか、娘は「やりたい科目が選択できるなら、ニュージーランドでもいいよ」と、言ってくれたことが救いでした。

ニュージーランドでは、2月から新学期が始まります。そのため、前年の11月から12月の間に、エージェントを利用して、学校選びからホームステイ先の決定まで、バタバタしました。しかも、教育資金の学資保険の満期は、高校卒業後の大学進学費用として考えていたので、満期よりも前に解約しなければならなくなりました。年間費用は、エージェントを通して現地の高校とホームステイ先に一括納入します。最初の納入は、240万円くらいでした。円高、円安でも費用は変わってきますし、その後も、制服代金、修学旅行代金など、お小遣いのほかにも、さまざまなお金が発生しました。それに、思春期の子どもって身体も成長するんですよね。靴や服のサイズが大きくなって、その都度お金がかかりました。そんな費用も、親としては想定外の出費だったなあと、思い出します。

そんな経験から、まず、子どもの留学を、夢から現実へと着実に前進させるには、できる限り早めにたくさんの情報収集をすることが大切だと思います。国による教育制度のこと、そして入学、新学期のタイミングをしっかり把握することです。子どもが生まれた頃から、学資保険や定期預金の積み立てをして、教育資金の準備をしていても、いざ留学となると、その満期のタイミングがズレて、資金不足という不測の事態も起こりうるからです。

緒方 昌子

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