子どもマネー総合研究会

<特別寄稿>幼児や子どもに読ませたいお金の本

保育士でもあり、絵本講師でもある清家弘子先生に、幼児や子どもに読ませたいお金の本を4冊ご紹介いただきました。ぜひ参考になさってくださいね!

100円たんけん

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文・中川ひろたか
絵・岡本よしろう
くもん出版
2016年初版
対象年齢:5歳~

お母さんに「お菓子を買って」とお願いすると「100円までよ」と言われた男の子。その後、お母さんと「100円ショップ」に行くと、これも100円。あれも100円。じゃあ、100円で何がどのくらい買えるのか・・・

「100円たんけん、しゅっぱーつ!!」

商店街で100円と交換できるのは?お肉屋さんでは、豚肉だと何グラム? 牛肉だとどのくらい? 魚屋さんでタコ100円分は? その後も八百屋さんにケーキ屋さんと、100円たんけんは続きます。作者の中川ひろたかさんがパン屋さんになって登場しているので、見つけてみてください。便利になっている今だからこそ、お子さんと絵本を一緒に読みながらお金の「価値」を感じてみませんか?

はじめてのおつかい

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筒井 頼子・作
林 明子・絵
福音館書店
1977年初版
対象年齢:4歳~

みいちゃんの手の中には、100円玉がふたつ。ママに頼まれてひとりで牛乳を買いに行きます。はじめてのおつかいです。絵本の中のみいちゃんに起こる、ひとつひとつの出来事に、読んでいる大人もドキドキします。いつもママと通っている道も、1人だとこんなにも違う景色になるということを丁寧に描いている絵本です。牛乳をなんとか買ってお金を渡して、お釣りをもらってあとは帰るだけなのに、みいちゃんにはまたトラブルが。

お金の価値というより、お金のやり取りをしながら「買い物」をするきっかけになる1冊だと思います。初版から47年もの間、読み継がれている名作です。

学校では教えてくれない大切なこと③ お金のこと

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マンガ・イラスト:関和之
旺文社
2015年初版
対象年齢:小学校低学年~

マンガになっているので、絵本と違って1ページずつめくってお話が進むのではありません。マンガの読み進め方がわかる年齢になってから見ることをおススメします。

シリーズ本の中の1冊になります。紙幣や硬貨をつくるにはどのくらいのお金がかかるか、銀行の役割、お金と社会の関係などをマンガでわかりやすく読めるようになっています。まずは、お子さんに本を手渡す前に大人が読むことをおススメします。「これどういうこと?」と聞かれた時に答えやすいですし、改めて大人になってから世の中とお金のことを知ることもできる1冊だと思います。大人は30分もあれば読み終えることができますので、ぜひスキマ時間にお読みください。

なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしいたいせつなこと

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監修:池上彰
Gakken出版
2020年初版
対象年齢:小学4年生~大人まで

1人の男の子の心の機微を描きながら、話が進んでいきます。悩み、考え、答えがすぐに出ないことに心がもやもやしながら答えを出そうとしています。そのストーリーの間に「働くこととお金の関係」「1か月にかかるお金はどのくらいなのか?」などが書かれています。1人で読むことは出来ますが、親子で一緒に読むことをおススメします。子どもたちのこれからの未来を考え、そして家族としてあなたの一番の応援団であることをこの本の力を借りて言葉にできると思います。

対象年齢は、この本をつくった編集部の方々の想いが込められているあとがきを読んでこのように書かせてもらいました。ぜひ、何度も読み返せる1冊としてお読みください。

清家弘子先生

清家弘子先生

現役保育士兼絵本講師
共立女子大学子育て広場「はるにれ」主任保育士のほか、小田原短期大学・東京教育専門学校にて非常勤講師を務める。

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