お金は、どうして支払うの?
娘が、一人でお買い物ができるようになった頃、私に、突然、聞いてきました。
「ママ、どうしてお金を払わないと買えないの?」
だって、何かを手に入れたり、サービスを受けたりすることは、ほんとうにありがたいことだもの。だから、ありがとうの気持ちを示すのよ。
たとえば、お魚は、漁師さんが海に出て釣ってきてくれたもの。そのお魚をもらうんだから、ありがたいでしょ。また、塾の先生がお勉強を教えてくれるのは、その先生が知っている知識をわけてくれること。それも、ほんとうにありがたいことでしょ。
だから、その気持ちを込めて、お金をお支払いするのよ。
「じゃ、どうしてお店の人が、ありがとうございました、って言うの?」
それは、お店の人がお金を受け取ることができるから。お金をもらえれば、今度は、お店の人が、自分の必要なものを他のお店で買えるでしょ。それに、自分のお店に来てくれて、何かを買ってくれたらほんとうにうれしい。だから、ありがとうございましたって言ってくれるのね。
ママだって、お仕事をいただけたら、ほんとうにありがたいって思うよ。それに、ママがいい仕事をしたら、お仕事をくれた人も、ママに、きっと、ありがとうって言ってくれると思う。だから、ママは、「ママにお仕事してもらってよかった。いい仕事してもらってよかった」と思ってくれるように、お仕事がんばっているんだ。
「お金は、もらう人も、払う人も、ありがとうなんだね」
娘は、その後、お買物したとき、「ありがとう」と言って商品を受け取っていました。子どもって、いいなーと思った瞬間でした。
このように、「お金」を学ぶということは、計算的なことだけではありません。感謝の気持ち、分け合うこと、物を大切にすることなども学ぶことができます。少し大きくなったら、投資や税金の仕組み、働いてお金を得ることなども学ぶことができますね。こうしたことを通して、自分が社会の立派な一員であることも実感することができるでしょう。
なのに、どうして学校には、お金についての授業がないのでしょう。「子どもマネー研究会」では、たくさんのお金を学ぶ機会を提供していきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
ジョアン・安部