はじめてみよう!おこづかい帳
息子は小学2年生。 おかねに興味を持ち始めたなと思ったのは、年中さんの頃。 はじめてのお財布は、大好きなウルトラマン。最初は全種類の硬貨を1枚ずつ入れてあげ、それからは、もらったお年玉を入れたり、好きなおもちゃを買ったりしていました。
テーブルにお財布のお金を全部出しては並べ、入れては出してを繰り返すのが大好きで、 「じゅうえん、にじゅうえん…」と1枚1枚数えていると、いつの間にか「じゅうえん」に戻っていたりしていましたが、おもちゃではない本物のおかねは特別のようでした。
そのうち、やたらとおつりを欲しがるようになり、おつりがないと、がっかり…。 はてさてどうしたものか。そろそろおこづかいを毎月にして、やりくりをしてほしいのに。
でも、さすがに小学生になると違ってきました。
お祭りにおこづかいを持っていくというので、ねだるのかなと思ったら、 「じぶんのおかねをもっていくよ。」と、いくら持っていくのかも自分で決めていました。
また、学校で使うテープを「じぶんでだすよ。」とお財布をしっかり持って、100円ショップに行き、テープを選び、ぴったり105円、おかねを出して買いました。 「じぶんでやる!」という言葉は、自立に欠かせないもの。「自分でやりたい!」という気持ちをできるだけうまくキャッチして、ちょっと背中を押してあげるのが親の役目かなと思っています。
そして夏休み。おこづかい帳ゲームに初挑戦。子どもマネー総合研究会の夏のイベントに参加しました。大丈夫かな、と内心ドキドキでしたが、あっという間に時間が経ち、ほーっ。ゲームが終わると「ごめん、プレゼント買えなかった…。」と真剣な顔。翌朝、「きのう楽しかった。また行きたい!」との言葉に一安心です。
ふと見ると、もらったおこづかい帳を自分で書いている。そろそろよさそうです。 「おこづかいは毎月300円、学校で使う文房具はおこづかいで買うこと、もらったとき と使ったときには、おこづかい帳に書くこと」のお約束のもと、300円をもらい、うれしそうにお財布にしまいました。本当は毎月500円の予定でしたが、息子には少し多いかな、本当に約束を守れるかなと思ったので、様子を見ることにしました。
おこづかい帳は自分でつけられるのかなと見ていると、4桁の足し算、引き算に戸惑っていました。そこで、最近習った筆算を使ってみたら何とかできました。最初は少ない金額で、おこづかい帳の習慣をつけさせるのがよさそうです。
目下、息子の最大の楽しみは“お泊り”、それも“温泉+バイキングプラン”。 旅行のパンフレットをじーっと見ているので、これはいい機会だと思い、 「ねえ、バイキングプランっていくらいると思う?」とこども料金のところを教えると、 「ママ、1万円ある?」…なに!「5千円出すから…。」どうやら、援助してもらおうとの魂胆。だめだとわかると、できるだけ安くて希望にかなうところをさがしています。こうやって、やりくりを覚えていくのですね。
おこづかいをもらっている小学生は約8割。低学年(1~2年)と中学年(3~4年)では、「ときどき1回100円」、高学年(5~6年)では、「月1回500円」が最も多いもらい方です。
このように、多くのお子さんがおこづかいをもらっているものの、おこづかい帳となると、つけているのは2割強~3割弱しかいません。大きくなるにつれて、おこづかい帳をつけなくなるのか、中学生で2割強、高校生になると1割強と、段々下降傾向になっています。 (「子どものくらしとお金に関する調査(平成22年度調査)」金融広報中央委員会)
おこづかい帳は大人になると、家計簿に替わるもの。小さい頃のおこづかいのやりくりが、将来の家計のやりくりに繋がる大事なものです。
実は、息子とひと悶着ありました。
おこづかい帳をスタートする前に、息子にこれだけはやってほしいことがあったのです。 それは、おこづかい帳とお財布の残高を合わせること。 でも、息子は「くれるっていったじゃないか!はやくちょうだい!」と我慢できません。仕方なく、「きちんとできないなら、3年生になってからにする!」と白紙撤回しました。
半ばあきらめていましたが、その日の夕方、息子が「さっきからおこづかいのことずっと考えていたんだ…ごめんなさい。」と言ってきました。どうやら、わかってくれたようです。こうして無事にスタートできました。
一生つきあっていく大事なおかね。親だからこそ、精一杯子どもに伝えていこうと思います。
息子の学校では、PTAがブックタイム・ボランティアを行い、交代で子ども達に「読み聞かせ」をします。その準備のため図書館に行ってきました。 そこで、おもしろい本を見つけましたので、ご紹介します。
『一円大王さま』です。(作 すとうあさえ・ひさかたチャイルド)小学1年生のようたくん。はじめてのおこづかいをもらって大喜びです。でも、買い物を したときの一円をほったらかしにしていたら…なんと!一円大王さまが現われて…。 …一気に読んでしまいました(笑)。
1円玉を作るのにいくらかかると思いますか? アルミニウム100%の1円玉、なんと約1円50銭。作れば作るほど赤字です。しかも赤字になる硬貨は1円玉だけ。造幣局は通常、地金から硬貨を造りますが、時には円形(えんぎょう)というすでに硬貨の形に仕上がっているものを仕入れて、模様だけをつけることがあります。この円形の値段が約1円50銭。模様をつけるコストなどは入っていませんので、実際にはもっと赤字です。外国でも同様の問題があるようで、カナダは1セント硬貨の流通を今年で中止するそうです。しかし、日本は消費税が8%になりますので、たとえ原価がいくらかかっても、1円玉がなくなることは当分なさそうですね。
私が息子におかねのことを話したいなという時は、よくきっかけを探します。 たとえば、本、買い物、イベント、旅行etc.。その中でも、親子で一緒に参加できるイベントはおすすめです。是非、親子で一緒に体験しながら、お子さんの様子を見ていただきたいです。お子さんの意外な一面を発見できるかもしれませんね。
中島典子