子どもマネー総合研究会

消費税増税で教育費はどうなる?

現在5%の消費税が、2014年4月から8%になることが確定し、さらには2015年10月から10%にアップする見込みです。消費税が上がると、子どもにかかる教育費はどうなるのか、心配される声も聞かれます。今回は、教育費にかかる消費税について考えてみましょう。

消費税が5%→8%へ

消費税は、商品やサービスを購入したときにかかる税金です。現在は消費税率が5%のため、小売店で100円のお菓子を買うと、消費税が5円かかるので105円を支払います。税金を支払うのは消費者ですが、税務署に納税するのは預かった小売店です。このように税を負担する人と納税する人が異なる税金は「間接税」と呼ばれています。

日本は急速に超高齢社会化が進んでいて、年金や医療、介護の財源不足は深刻です。消費税増税で増える税収は、老齢基礎年金の財源の不足分や右肩上がりに増える医療・介護費を補うのに使われる予定です。それでも「焼け石に水だ」と言われますが、少しでも次世代への負担を増やさないためには皆で負担し合わなければならないのです…。

大和総研によると、消費税が5%→8%にアップすると、小学生が2人いる年収300万円の4人世帯の場合で消費税が年間約4万3000円アップし、年収500万円では約6万7000円アップすると試算されています。その分は家計見直しなどで削減しないと、その分、貯蓄に回せなくなってしまいます。

負担軽減策も

消費税は所得が多くても少なくても同じ割合でかかるため、低所得層ほど負担が大きくなりがちです。そのため、消費税が10%に上がる際には、食料品などの生活必需品には軽減税率が設けられる見込みです。

しかし、3%アップする2014年4月には、まだ軽減税率などが導入されず、すべてが一律3%増となるため、増税による家計負担が大きい低所得世帯には、負担軽減のために1回のみ食費分の消費税分として1人当たり1万円が支給されます(住民税非課税世帯の約2400万世帯が対象)。

また、住宅購入については、住宅ローン減税が拡大されることになっているほか、年収510万円以下の人を対象に、消費税8%のときで最大30万円、10%のときに最大50万円の現金支給が行われる「すまい給付金」も新設されました。

詳しくは>>国土交通省「すまい給付金」のサイトへ

そうでなくても、土地や賃貸の家賃などそもそも非課税のものもあります。家や車も中古で個人間の売買であれば非課税です(業者が買い取ったものは課税)。


居住年

借入金等の年末残高の限度額

控除率

各年の
控除限度額

最大控除額

25年1月~
26年3月

2,000万円

1.00%

20万円

200万円

26年4月~

4,000万円

1.00%

40万円

400万円

29年12月

教育費への影響は?

さて、本題といいますか、もっとも気になる教育費ですが、実は消費税がかからないものもけっこうあります。学校などへの納付金等は消費税の対象外です。

<教育費関連で消費税がかからないもの>
・保育料 ・幼稚園の入園料 ・受験料 ・学校の入学金 ・授業料 ・施設設備費 ・教科書代 ・PTA会費 ・在学・成績証明書手数料

一方で、学習塾や習い事費などは消費税がかかるので、そこにお金を使っている家では、負担が大きくなります。ほかにも、給食費(授業料に含まれる場合はかからない)や修学旅行費、参考書、文房具、ランドセル、学習机等にも消費税はかかってしまうため、負担は増えます。

もし新入学が近い場合は、ランドセルや学習机は消費税が上がる前に買っておくのは一法です。でも、今3歳の子のランドセルとなると早すぎますね…

増税分は家計の見直しを

消費税増税の影響は避けられませんので、少しでも家計のスリム化を図りたいものです。

保険の見直しや住宅ローンがあるなら住宅ローンの見直し、その他の家計の見直しなどに、ぜひとも取組む機会にしたいものですね。

ファイナンシャル・プランナー 豊田眞弓

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー
経済誌・経営誌などのライターを経て、1995年より独立系ファイナンシャル・プランナー。個人相談やセミナー講師の他、書籍・雑誌の執筆や監修などで活動。

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