子育て世帯への支援が厚くなる!?
平成24年8月、日本の子ども・子育てをめぐる様々な課題を解決するため「子ども・子育て支援法」が成立しました。この法律と、関連する法律に基づいて、実施されることになったのが「子ども・子育て支援新制度」です。目的は、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡大や質の向上を進めていくことです。
この「子ども・子育て支援新制度」実施のために、消費税が10%になった際の増収分から、毎年、7000億円を充てるそうです。消費税が10%に引き上げられるのは、来年(平成27年)10月からの予定で、増税するかどうかは今年末ごろに正式決定されることになっています。にも関わらず、10%時の増収分を充てるとは…。消費税10%は既定路線なのでしょうか?
財源の問題はさておき、この新制度は、大きく2つの柱で構成されています。
教育・保育の場を増やす
従来からある幼稚園、保育所に加えて、認定こども園の普及を図るとともに、「地域型保育」を新設。これにより、待機児童が多い3歳未満の子どもの保育を増やすそうです。「地域型保育」は、施設(原則20人以上)より少ない人数で0~2歳の子どもを預かる事業で、家庭的保育(保育ママ)、小規模保育、事業所内保育、居宅訪問型保育の4タイプになる予定です。
地域の子育て支援の充実
新制度では、共働き家庭だけでなく、すべての子育て家庭を支援するそうです。具体的には、急な用事や短期のパートなどに利用できる「一時預かり」や病気・病後の子どもを預かる「病児保育」の充実、「放課後児童クラブ」の増設と対象児童を小学校6年生まで拡大するなど。
新制度の実施主体は各自治体で、利用受付は今年の秋ころからスタートします。利用を希望する保護者は、まず、3つの区分(1号認定、2号認定、3号認定)の認定を受けます。その認定に応じて、利用できる施設(幼稚園、保育所、認定こども園、地域型保育)が決まります。自治体ごとに内容が異なるので、お住まいの自治体や施設から提供される情報をチェックしてください。
なお、保育料などの費用は、公費負担を多くすることで、保護者負担は現行制度と大差ないようにするとのこと。
子どもを預けられる施設などが増えることで、幼児や小学生のいるお母さんは働きやすくなりそうですね。利用できる制度はしっかり利用して働き、教育費や住宅費、老後資金のための蓄えを増やすようにしましょう。
小川 千尋