子どもマネー総合研究会

子ども手当がアブナイ!?

2010年度から支給されている「子ども手当」。この手当を支給するには(他の手当類もですが)法律が必要で、現在の「子ども手当法」は2010年度限りの時限立法です。2011年度以降も継続して支給するには新しい法律を成立させる必要があります。その中身(主に支給額案)は、めまぐるしく変わっています。

そもそも、民主党のマニュフェストでは、2011年度以降、子ども1人当たり月2万6000円(2010年度は1万3000円)を支給することになっていました。しかし、財源捻出のメドがたたず、満額支給は実施されないことになりました。その代わりに浮上した案は、昨年7月の参議院選挙前は中学生以下の支給額を2万円や1万8000円に引き上げることでした。この案も、財源が全く足りないことがわかって断念。参議院選挙後は月1万5000円~1万6000円の案が浮上しましたが、最終的には、3歳未満に限って月2万円に引き上げる案に落ち着きました。

「子ども手当」の財源については、民主党のマニュフェストでは配偶者控除の廃止や扶養控除の廃止・縮小などで捻出するとしていました。扶養控除は廃止・縮小を行うことは決まりましたが、今年4月の統一地方選挙を控え、主婦層の反感をかいたくないという配慮から、配偶者控除の廃止は見送られました。結局、3歳未満の支給額を引き上げるための上積み分の財源は、2011年度分は国がかき集めて全額負担、2012年度以降は国が1550億円、地方が950億円を負担することで決着が着きました。これらのことが決まったのは、昨年12月20日ころのことです。しかも、この法案も、2011年度限りの時限立法で、2012年度以降も支給を継続するには、また、新たな法整備が必要となります。

こうして、何とか形になった「子ども手当法案」ですが、今年に入ってから、既に負担している分も含めて地方に負担を求めるのはマニュフェスト違反であることを主な理由として、地方負担分の拠出を拒否する県や市町村が続出。自民党や公明党などは反対する方針を取ることを表明するなど、波乱含みの展開となってきました。

「子ども手当法案」も含めた2011年度の予算関連法案は、年度内(今年3月31日まで)に成立しなければ、国民の生活に影響を及ぼします。もし、「子ども手当法案」が年度内に成立しなければ、子ども手当(3歳未満は月2万円、3歳~中学生は月1万3000円)の支給はできなくなります。すると、恒久法である「児童手当法」が自動的に復活することになるのですが、給付事務を担当している地方自治体はシステムを子ども手当用に改修済みで、いきなり児童手当に戻すことは不可能だそうです。つまり、3月31日までに成立しなかったら、子ども手当も児童手当ももらえないということ。そんなことにならないよう、国にはあらゆる手を尽くしていただきたいものです。

子ども手当だけでなく、いろいろなことで衝突ばかりして混乱を生じさせているのは、他でもない、私たちが選んだ政治家たちです。政治を変えなければ、私たちの暮らしを左右する様々な制度も変えられません。もっと政治に興味を持って、暮らしをよくしてくれる政治家を選んで育てていきましょう。これまで選挙に関心のなかった人、投票に行ったことがない人は、4月の統一地方選挙で選挙デビューしてくださいね。

ファイナンシャル・プランナー 小川千尋

小川 千尋(おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー、終活コンサルタント、エディター&ライター、整理収納アドバイザー2級、ハッピーエンディングプランナー
1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャル・プランナーとして、主にマネー誌、一般誌などのマネー記事の編集・執筆・監修・セミナー講師などで活動。オールアバウトのガイドも務めている。親の生命保険に詳しい。

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