どうする?自転車のヘルメット
自転車は、通勤・通学、買い物にお出かけにと、子どもも大人も利用できる便利な乗り物ですね。しかし、みんなが気軽に利用するためか、自転車事故も多発しており、近年は事故に備えるための取り組みが進められています。保険加入の義務化も全国に広がりつつあり、この春からは、ヘルメット着用が努力義務化されました。
「努力義務」なので、ヘルメットは検討中、という方も多いでしょう。今回は、自転車のヘルメットの必要性や選び方を考えてみましょう。
自転車に乗る人のヘルメット着用が努力義務化
改正道路交通法の施行により、令和5年4月1日から、全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。
自転車を運転する人だけでなく、同乗者もヘルメットをかぶることが努力義務となっています。子どもと二人乗りするような場合は、子どもにもヘルメットを、ということですね。
さらに、保護者等は、児童や幼児が自転車を運転する際は、ヘルメットをかぶらせるよう努める必要があります。
ヘルメットなしの場合、致死率は約2.1倍
警察庁のHP※によると、自転車乗用中の交通事故の死亡者のうち、約6割は頭部に致命傷を負っているそうです。さらに、自転車乗用中の交通事故においてヘルメットを着用していなかった場合の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)は、着用していた方に比べて、で約2.1倍高くなっている(平成30年から令和4年までの5年間の合計)といいます。
※警察庁HP 頭部の保護が重要です~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~
自転車に乗っていて、転んだ、あるいは転ばなくてもヒヤッとした経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。気を付けて運転していても、道路のデコボコにタイヤが引っかかったり、雨で路面が滑ったりすることもありますよね。万一事故にあった場合の重症化を避ける手段として、ヘルメットは有効でしょう。
ヘルメットは自転車用の安全性を示すマークのついたものを
ハット型だったり、キャップ型だったり、さまざまなタイプ・カラーのヘルメットが売られています。価格やデザインも気になるところですが、もっと大事なのは安全性が高いこと。購入の際は、SGマークのような安全性を示すマークがついている、頭の形・大きさにあったものを選びましょう。また、せっかく安全性の高いヘルメットであっても、きちんとかぶっていなければ、事故の際に脱げて役に立たないかもしれません。あごひもを確実に締めて、正しく着用するように注意しましょう。
安全性を示すマーク
SGマーク(一般財団法人製品安全協会 日本)
JCF公認マーク・JCF推奨マーク(日本自転車競技連盟 日本)
JISマーク(日本)
CEマーク(EN1078) (欧州標準化委員会 EU加盟国等)
CPSCマーク(1203) (アメリカ合衆国消費者製品安全委員会 アメリカ)
GSマーク (ドイツ)
など
SGマークと賠償制度
安全性の高いヘルメットの目安となるマークのうち、「SGマーク」は一般社団法人製品安全協会が実施している「SGマーク制度」の対象となる製品につけられているマークです。安全基準・製品認証だけでなく、事故賠償も一体となっています。
SGマークが貼付された製品がかかわる事故で、それが製品の欠陥によるものと判断された場合には治療費等(人的損害)が賠償されます。一事故あたりの賠償金額上限は1億円です。日本国内での事故のみが対象で、物的事故は対象外です。
万一の事故の際、ヘルメットの欠陥で被害が大きくなることもあるかもしれません。補償制度のある製品を利用すると、万一のへの備えはより強くなりますね。
子育て中は、子どもと二人乗りしたり、子どもが自転車で出かけるようになったり、自転車事故がしょっちゅう心配になります。自分や家族に合う、安全性の高いヘルメットを選び、交通マナーにも気を付けて、楽しく自転車を利用しましょう。