金融教育公開授業(渋谷区立広尾小)を見に行きました!
1月21日(土)、渋谷区立広尾小での金融教育公開授業の見学に参加しました。
広尾小は東京都金融広報委員会の指定する金融教育研究校で、この日は一般への公開授業と講演が行われました。
広尾小は各学年1クラスのみで、全校で6クラスのみの小さな小学校です。 公開授業は1校時に1~3年生、2校時に4~6年生の3学年づつ行われ、その後、体育館で講演が行われました。
私自身も学校や消費者センターなどで金銭・金融教育の授業を受け持つこともあり、勉強のために参加させていただきました。
京浜東北線が沿線火災で止まってしまい、高校生の息子が通学の途中で立ち往生。学校と連絡していたりして出るのが遅くなり、低学年の授業を見学することはできませんで、2校時の授業から見ることができました。
今回の授業は、それぞれ担任の先生が考案して、教材などもご自身で準備して行われた授業で、いずれもすばらしいものでした。生徒を知り尽くしていらっしゃるのもあるのでしょう、集中が途切れることなく、全員に考えさせ、全員に参加意識を持たせることのできる、すばらしい授業ばかりでした。やはり、プロの教師が本気で取り組んだらかないそうにないなと、感心しながら見学しました。
ちなみに、各学年の公開授業の内容は次の通りです。どの教科の中で、どう教科に結び付けて金融教育の授業を取り入れるのかも重要なポイントです。
公開授業(1校時)
「これ、いくら?」(1年生・学級活動)
「正しい使い方を大切に」(2年生・道徳)
「おこづかい帳を記録してみよう」(3年生・学級活動)
公開授業(2校時)
「知りたいな 広尾Tシャツのひみつ」(4年生・総合的な学習の時間)
「お金ってなんだろう?」(5年生・社会科)
「税金ってなんだろう?」(6年生・社会科)
広尾小学校には、PTAで企画販売しているオリジナルのTシャツやバッグがあって「広尾Tシャツ」として人気です。4年生のクラスでは、このTシャツについて、PTAの方の話を聞きながら考えていくというものでした。
5年生のクラスでは物々交換を体験させ、お金の役割の1つである「交換」を解説していました。物々交換だと欲しいものがなかなか手に入らず、それについてどう感じたか、など気持ちを聞いていきました。お金があれば、スムーズに欲しいものを買うことができるということを、じっくり理解させる内容だったように思います。
6年生の授業では、税金について解説したのち、生徒に新しい税金とその内容を考えさせる、というもの。班ごとに1つのアイデアにまとめて発表し、それについて意見を言い合ったりするというものでした。
通行税などいろいろな案が出ていましたが、傑作だと思ったのが「う税」。「うざい」「ばか」「あほ」「死ね」など人を傷つける言葉を発したら、罰金として課税するというものでした。税額は忘れてしまいましたが、「ばか」「あほ」が50円、「間抜け」が100円など細かく設定されていました。子供の発想の素晴らしさが感じられる内容に、保護者からも感心する声が上がっていました。
その後、体育館に移動して講演が行われました。講演は60分で、あんびるえつこ氏による「カレー作りゲームで考える自分づくり社会づくり」というテーマでした。
大きな柱は4つでしたが、「カレー作りゲーム」や「キャンディーゲーム」というアクティビティも織り込みつつ、希少性やトレード・オフなどを子供たちに教えていました。
「自分にとって幸せか?」だけでなく、「みんなと地球にとって幸せか?」ということも考えよう、というメッセージがとても素晴らしかったです。
低学年にとってはややむずかしかったかもしれませんが、高学年や保護者にとって、とても心に残る内容だったと思います。
余談になるかもしれませんが、講座の最中も授業中もそうなのですが、騒がしくする生徒がいなくて、少々驚きました。「静かにしましょう」という声掛けを1回も聞かなかった気がします。
先生方は、子供たち全員を、男の子も女の子も「〇〇さん」と呼び、体育館でも「生徒の皆さん」と静かに話しかけていました。
講座の開会前にちょっとざわついていたときも、「静かにしましょう」と言う代わりに、教頭先生が落ち着いたトーンで「みなさん、心は落ち着きましたか?」とやさしく話しかけられ、すぐに静まりました。
広尾という地域性もあるのでしょうか? 生徒1人ひとりがとても落ち着いているように感じました。